
大手牛丼チェーンである吉野家ホールディングスですが、業績不振のため株価が大暴落しています。
これまで、吉野家の株価は10年以上上昇を続けていましたが、ついに上昇に陰りが見え始めました。
今期までの連結順損失は15億58百万円(前年度比31億53百万円減)という散々な結果です。
吉野家の株は100株保有していれば、年間3000円分のサービス券を年に2回貰うことができます。
2月末の確定日のために、あらかじめ仕込んでいた投資家は、3000円のサービス券のために大きな代償を支払うこととなったでしょう。
かつての吉野家には圧倒的な消費者独占力がありました。
かの有名なウォーレン・バフェットは消費者独占力について、著書でこう語っています。
「タバコのマールボロ愛好者にほかのブランドを勧めて成功したためしがあるだろうか。ジレットのカミソリを使っている無数の人々に、ほかのメーカーを使わせることができるだろうか。マイクロソフトのウィンドウスも同じである。私たちがマクドナルドのハンバーガーを食べ続けているのも、同じ理由からなのだ」
吉野家は過去50年以上「牛丼単品勝負」で勝負を続けてきました。
そして、牛丼一筋であるからこその、味へのこだわりや安心感のために、多くの消費者が吉野家の牛丼に対してお金を落としてきました。
しかし、近年ではどうでしょうか。
牛丼以外の商品(カルビ丼、牛鍋、カレーなど)を売り出すという暴挙に出ており、自らで自らのブランドを破壊する行為をとり続けています。
「牛丼単品勝負」 のブランド価値が無くなった吉野家に対して、消費者は「どこの牛丼が一番安いのか」という視点で物事を考え始めるようになります。
一般に、ほとんど似たり寄ったりの製品を作り、激しい価格競争を行っている業界では、大きな利益は見込めません。
価格競争の末に、各社の利益は限りなく少なくなっていくからです。
今回の吉野家の赤字の大きな原因は、材料費と人件費の高騰とのことです。
高騰が落ち着けば利益は回復するでしょうが、消費者独占力を失った企業に輝かしい未来はありません。
グッド○ック。
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